皆さんのご自宅トイレには、消臭剤を設置されていますか?
設置されている方は、どのようなタイプ
「消臭剤」「消臭芳香剤」「脱臭剤」をお使いでしょうか?
消臭芳香剤と聞くと、言葉の矛盾(片方では消臭し、片方では芳香)
を感じる方もいらっしゃると思います。
実際、芳香剤入りの消臭剤は、香りを消していません。
この香りの元となる香料についてですが、
香料は良い「におい」を発する化学製品であるのに対して、
消臭剤、脱臭剤は悪い「におい」を消したり除いたりする化学製品になります。
原料による分類では天然香料と合成香料に分けられます。
天然香料は、主に植物、テルペンは天然香料の主体となる植物精油の主成分です。
商業生産される精油のうちで、とくに生産量も多く重要なものとその主成分は
〔シトロネラ油〕 ゲラニオール、シトロネラール、d-シトロネロール
〔レモングラス油〕 シトラール
〔針葉油〕 α-ピネン
〔ローズ油〕 ロジノール、ゲラニオール、ネロール
〔ラベンダー油〕 リナロール、酢酸リナリル
〔びゃくだん油〕 αおよびβ-サンタロール
〔オレンジ油〕 リモネン
〔はっか油〕 l-メントール
以上でわかるように、テルペン類は天然香料として高い価値をもっています。
合成香料は化学反応によってつくられた製品で、原料は問いません。
テルペンとは2つ以上のイソプレン(炭素数10)を構成単位とする化合物を言います。
イソプレンは天然ゴムの構成成分です。
このように得られた香料が単味で製品になることは少なく、
何種類かの香料を調合して製品になります。
これを調合香料と言います。
どのような香料をどのように配合して調合しているかは、
まさに香料メーカーの腕の見せ所であり、最大の企業秘密です。
天然香料は自然がつくった調合香料と言えましょう。
天然香料から、その一成分、たとえばハッカ油からl-メントールだけを結晶化させて取り出すと日本では合成香料の扱いになります(単離香料)。
香料の分類
注)半合成香料とは天然香料の成分を原料に別の物質を合成してつくった製品
料は使い方によって大きく2つに分類されます。
食品向けの調合香料がフレーバー(食品香料)です。
フレーバーは、香料生産額の7~8割を占めます。
食品の香りはおいしさの重要な要素であり、加工食品、飲食品や歯みがきの生産に使われます。
当然のことながら、食品添加物として安全性が求められます。
食品衛生法の規制を受けており、指定を受けた香料だけしか調合に使用できません。
一方、フレグランス(香粧品香料)は、化粧品、洗剤・トイレタリー製品、芳香剤に使われます。
化粧品というと香水を思い出しますが、香料は香水ばかりでなく化粧品全般に広く使われます。
このほか、クリーナーやワックスなどの住居・家具用製品、生ゴミ消臭剤、靴墨、インク、糊、塗料などの日用雑貨品にも使われます。
変わった用途としては、良い香りとは言えませんが、都市ガスやプロパンガスのガス漏れを警告するための保安用香料もフレグランスの利用例です。
香料を使用する目的は次の図のように3つあると言われます。
1つは言うまでもなく着香、すなわち良い香りをつけることです。
2つ目はマスキングです。嫌な臭いを隠してしまうことです。
3つ目は機能性付与です。たとえば、アロマテラピーは香料を使った療法です。
食品に使うスパイスには抗菌作用、抗酸化作用、
ハーブ類には害虫忌避作用が期待されます。
- 香料の目的
- 着香
- マスキング
- 機能性の付与
消臭剤には、二つのタイプがあり、
一つは臭気を物理的作用で除去又は緩和する脱臭剤としては、
昔から冷蔵庫の臭気除去に使われてきた活性炭が有名です。
そのほかシリカゲル、ゼオライトのような無機多孔質物質も使われてきました。
活性炭やゼオライトには、小さな穴がたくさん開いているので、
悪臭に原因となる窒素や硫黄の化合物の分子がその穴に入っていきやすい。
それにより悪臭を消し去るのですが、リモネンやテルペン類は活性炭に
吸着されにくいので、芳香は保たれます。
最近よく宣伝される消臭効果を謳った商品にはシクロデキストリンのような包接化合物を使ったものがあります。
これはナノサイズの環状分子が臭気の原因となる分子を取り込んでしまう効果(包接と言います)を利用しています。
もう一つのタイプは、悪臭を出す物質と化学反応を起こす化学物質を使うもの。
悪臭を放つ物質には、硫化水素やメルカプタン類など、硫黄化合物が多い。
そのことから、硫黄化合物と反応しやすい化合物を使い、悪臭を放たない別の化合物に
変えてしまう。または、塩素系の化合物と化学反応を起こさせ、酸化物に
してしまう。
臭気を化学的作用で除去するために使われる化学物質としては、
両性界面活性剤、植物抽出物(竹、お茶などから)、安定化二酸化塩素や塩素化イソシアヌル酸塩のような酸化剤、イオン交換機能を持った無機物質(ベントナイトなど)があります。
リモネンやテルペン類は、こうした化合物とも化学反応しにくいため、
芳香を放ち続けることが出来ます。
今日は芳香消臭剤についてお話しました。
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引用:3-10 香料・消臭剤・脱臭剤の特徴と分類
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kagakukoubunshikisokouza_0310/
引用:日本大百科全書 テルペンと精油
https://kotobank.jp/word/%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%B3-101922