カビというと、どのようなイメージがありますか?
浴室での黒いカビやパンに付着している青カビなどですかね。
これらは糸状菌(しじょうきん)と呼ばれていて、日常生活でカビと
呼ばれているものの大半が、この糸状菌です。
カビは胞子や菌糸から生まれます。カビの胞子は固体の表面に付着すると
発芽し、菌糸を伸ばし始めます。
菌糸は枝分かれしながら周囲へ伸び、生息範囲を広げていきます。
乾燥や栄養不足を感じると、カビは胞子を作ります。
この胞子が新たな生息場所を求めて空気中に飛び出していきます。
1個のカビや細菌の大きさは1~100マイクロマートル(μm)しかありませんので、
肉眼で確認することは出来ません。
(1ミリメートルの1000の1がマイクロメートル)目で直接見ることが出来る大きさは
0.1ミリメートル(100μm)程度です。
最初は1個だったカビや細菌も、温度、水分、酸素、栄養が適した環境になると
数億から数十億個までに増え、固まったものをコロニーといいます。
コロニー内のカビや細菌は、利用できる栄養や酸素やスペースを求めて中心部から外に
増えていきます。
コロニー中心部のカビや細菌は、栄養不足や毒性のある代謝産物の蓄積が原因で
増える速度が遅くなり、死んでいきます。
作られたコロニーは肉眼でも確認でき、その個数を数えることで、カビや細菌の数を知ることができます。
〇カビや菌の好む環境について
汚い場所、水気の多い場所、日の当たらない場所を好みます。
カビや菌は栄養や水を求めて遠くまで移動することができません。
清潔で乾燥した環境では栄養や水を十分の獲得できず、生育できなのです。
(栄養と水(高い湿度)が必要なのです。
カビや菌は細胞内の環境をコントロールできないので、外部環境がとても大切に
なります。
・栄養
ほとんどの有機物や無機物が栄養になり、一般に水に溶けるものを好みます。
(高濃度になると、生育が妨げられることもあります。例えば食塩や糖類など)
・水
一般的なカビは相対湿度80%以上、細菌は相対湿度90%以上が必要条件です。
乾燥状態を一部のカビや細菌でも相対湿度65%程度は必要です。
・温度
一般的なカビや細菌は0~40℃生育します。
最適条件は、カビで25~28℃、細菌で36~38℃です。
ただし、80℃以上でも生育する好熱性細菌も見つかっています。
・pH
一般的にカビはpH2~8.5で生育可能(最適はpH4~6)、
細菌はpH5~9で生育可能(最適はpH6~8)です。
酸性やアルカリ性環境を好む細菌もいます。
(pHとは水の水の性質を知る為の一つの目安として使われ、
溶液中の水素イオン濃度の量を表します。)
pHは一般的に数値が1~14であり、pHが7より小さいときは酸性、7より大きいときは
アルカリ性になります。(7が中性ですね)
・酸素
カビの育成には酸素が必須です。細菌には酸素を必要としないものや、
酸素があると逆に生育できないものもいます。
〇なぜ増えるのか?
カビや菌が増えるというのは、細胞が分裂を繰り返して、
同じ細胞をつくりあげていくことです。
好む環境に出会ったカビはや菌は、すぐに増えようとします。
カビや菌の細胞は、タンパク質や核酸、脂質、糖質などの高分子化合物の
集合体からできており、細胞が増えるにはこれらの化合物を増やす必要があります。
(外部からの栄養は、これら化合物の材料やエネルギーとなります。)
また、高分子化合物を合成する酵素として水を利用します。
(酵素は適した温度とpH環境でしか、うまく働きません。)
カビや菌が好む環境とは、細胞の中の酵素がよく働く環境であります。
このようにして、細胞の分裂・増殖を繰り返して、
種の存続を行います。
〇カビや菌の死滅
カビや菌の死滅は、人などの死とは異なり、細胞死と呼ばれています。
細胞死とは、細胞が永久に増えられなくなった状態を意味します。
細胞は、高温や低温、乾燥や殺菌剤などの極端に高いストレス環境(栄養飢餓、高温や低温殺菌剤など細胞にとって不都合な環境のこと)にさらされると
細胞死へと導かれます。
細胞死は、一部の酵素の機能が極端に低下したり、細胞内の代謝バランスが崩れたり、
細胞の構造が壊されたりすると起こります。
今回は、菌・カビを知る・防ぐ60の知恵(日本防菌防黴学会)より
紹介させて頂きました。
カビ対策としては、栄養となるものを水で流し、十分な換気で湿度や水分を取り除く
事が予防の基本になりますね。
次回も同様にカビについてお話しできればと考えています。
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